「カジノパーク」の成り立ちと存在意義について

初心者向け

 当サイト「カジノパーク」は高校の同級生5人で立ち上げたサイトである。しかし、「立ち上げた」というのは少し大げさである。というのも、「立ち上げる」とは会社や大きな仕事やプロジェクトを企画立案して始動させることである。
 企画立案である。
 カジノのサイトを作ろうという話を我々がした最初の場所は焼肉屋だった。我々5人のうち4人が競馬でつながりがあり、カジノの話は、競馬の打ち上げでする話のひとつのネタに過ぎなかった。
 だが、実際に作るという話になり、次回会って話し合おうとしたが、緊急事態宣言が出たため延期。その後LINEの電話で連絡を取り、次は実際に会った方が説明が楽だということで集まった。そこで、サイトの枠組みはだいたい決まってるから、あとは記事やコンテンツを埋めていこうという話になった。当初は4人で始まったが、高校時代から親交のあった別の1人の安否確認をしようということでその場で招集し、我々は5人になった。
 我々のなかには、サイトをつくれる者がいて、実際にサイトを立ち上げ、記事などのコンテンツをつくることになった。だが、我々は儲けが出たときどのように分配するかなどをはっきりと決めていない。何か決めるべきことがあれば、その場でなんとなく決めている。

 なぜカジノのサイトを作ろうという話になったかというと、カジノのサイトがなかったからである。ここでいうカジノのサイトというのは、実際に店舗として存在するカジノについての情報を記載しているサイトのことである。そして、実際に店舗として存在するカジノについては、なかなか情報を得ることができない。なぜ情報がないかというと、日本には現在、アミューズメント以外の実際に賭けて遊べる店舗としてのカジノがないからである。一方で、海外にはカジノの店舗は、ある。それでは海外のカジノの情報を誰かまとめてくれてるのかといったら、誰もやってないのである。
 では、なぜ誰もやらないのか。
 理由として、メリットが少ないということが挙げられる。海外のカジノのサイトを作ると、そこには時間と労力と人件費がかかる。その対価として何があるか。もちろん、カジノ好きはそのサイトを訪れてくれるかもしれない。ただ、そこからどうやって収益を上げるのだろうか。サイト運営は主にアクセス数が増えることによって収益が上げられる仕組みになっている。では、海外のカジノの情報サイトでアクセス数が増えるかというと、心許ないものがある。海外のカジノの情報を得たい人の数が限られるからである。そうなると大企業は手を出してこない。リターンが見込めないからだ。
 一方で、個人で海外のカジノの情報を扱っている人も全然いない。なぜなら、ギャンブルは弱肉強食の世界であり、ギャンブルで勝つということは、自分以外の誰かが負けてくれることであり、海外のカジノ情報を教えるというのは、自分の潜在的カモをわざわざ鍋から出してあげるのと同じになるからである。それは別にギャンブラーが非人道的であるということではない。ギャンブルはゼロサムゲームである。説明すると、ギャンブルは利益と損失を足すとゼロになるゲームである。誰かが勝てば、誰かが負ける。全員が勝つことはない。あなたが勝つということは、あなた以外の誰かあるいはあなた以外の全員が負けるということである。あなたが勝つには、あなた以外が負ける必要がある。あなた以外が負ける要素を増やすには、あなたが持ってる情報をあなた以外に教えなければいい。だから個人の海外カジノ情報サイトはないのである。一応辻褄は合っている。
 しかし、我々は高校の同級生でカジノのサイトを作ったのである。そんな我々にはどんなメリットがあるのかというと、ひとつには、2016年に可決されたIR法案が影響している。

 IR法案は正式には「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」という。
 「特定複合観光施設区域」が要するにIR(Integrated Resort=統合型リゾート)のことである。
 統合型リゾートとはカジノの他に、ホテル、レストラン、映画館やアウトレットのような商業施設、企業の会議や展示会などを行うビジネスイベント施設などが一緒になったリゾート施設である。有名なのは、屋上にプールがあるシンガポールのマリーナベイ・サンズである。
 その統合型リゾートを日本に設置できるよう法的に認可したのがIR法案である。なので、IR法案は「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」という。「整備の推進に関する法律」だから、IR推進法とも呼ばれる。
 では実際に入場料がいくらとか決めたのが「特定複合観光施設区域整備法」である。整備そのものである。なので名称が「IR整備法」、または実施するときの法律なので「IR実施法」と呼ばれる。
 この法律が成立したのが2018年である。しかし、この法律はまだ施行されていない。どういうことかというと、2018年にこの法律は成立して「公布」しただけである。公布とは新しい法律を国民に発表することで、2018年にはIR整備法が成立しましたと発表されただけである。この記事を書いている2021年2月現在では、IR整備法の一部の法律は施行されているが、未確定として未だ施行には至っていない。なぜ施行しないかに関しては門外漢の我々にはよくわからない。

 で、話を戻すが、我々が当サイトを作ったきっかけがIR法案であることは確かである。
 IR整備法が公布され、カジノ運営に関して具体的なことが決められ、国内にカジノ施設ができる法整備が進んでいる。法整備が進むということは、国内にカジノ施設を作るのに現実味を帯びてくるということである。現実味を帯びるということは、「じゃあカジノって何?」と疑問に持つ人が増えてくるということである。
 その疑問に答えるために、当サイトは作られたのである。
 2021年2月現在において、カジノのサイトはいくつかある。ただし、カジノのポータルサイトはない。ポータルサイトは、総合サイトである。総合ということは、国内にできる予定のカジノ、そのカジノに関する情報、海外のカジノ情報、カジノのゲームの種類、それぞれのカジノの特徴、オンラインカジノ等を掲載したサイトである。そういうのは、ないのである。なので、我々が作ろうとしている。

 しかし、我々はカジノの専門家ではない。カジノについて研究してたり、カジノについて特別な情報を得られる立場にいるわけではない。遊びでカジノに行くぐらいである。いわば、我々はカジノの素人である。
 では、素人は専門的なことに口を出すな、ということなるかといえばそうではないと思っている。確かに、今の日本は素人が専門的なことに首を突っ込むのを嫌がる。例えば、「にわか」である。あるスポーツの大会があって、それがテレビで放送されて、それを観てそのスポーツを好きになった人は、古参のそのスポーツのファンからしたらにわかのファンである。にわかには「今流行ってるからそのブームに乗っかってるだけだろ」というニュアンスがくっついている。あまりいい印象ではない。
 しかし、素人には素人には良さがある、それは、「わからない」ということである。素人には専門的なことは「わからない」。だが、「わからない」というのは、「自分がどのようにわからない」かであり、「全体像が見えない」というものである。作家の橋本治は『「わからない」という方法』という本のなかでこう書いている。

 「わからないこと」を書けるわけがない。そんなことをしても、文章がまとまらない。しかしある部分では、「わかる」というような気がする。「わかるような気がする」という断片がいくつもフワフワと漂っていて、それが一つにまとまらない。なぜまとまらないのかと言えば、全体像が「わからない」からである。「わからない全体像」は、まとめようがない。「わからないんだからわからない」である。しかし、この「わからない」の全体像をまとめる方法が一つだけある。それは、「自分がどのようにわからないのだろうか?」と考えることである。
 全体像が見えないのは、それをまとめる“方向”が「わからない」からである。“方向”が一つにならず、あちらこちらに散乱している。だから、「一つの全体像」にはならない。つまり、その散乱する“方向”を一つにしてしまえば、これはまとまりうるのである。(傍点は太字に変更。橋本治 『「わからない」という方法』 集英社新書 2001年 p.9 - p.10)


  我々はカジノの素人である。我々はカジノのことが「わからない」。ただし、我々がカジノのことが「わからない」度合いは、それぞれである。我々はそれぞれ固有の形でカジノのことが「わからない」のである。
 「わからない」を「わかる」にするには、“方向”を一つにする必要がある。ただし、その“方向”は人によってバラバラである。「わからない」は「自分がどのようにわからないか」であり、「全体像が見えない」のは「それをまとめる“方向”がわからない」のである。
 つまり、「『わからない』をスタート地点とすれば、『わかった』はゴールである。スタート地点とゴール地点を結ぶと、『道筋』が見える。『わかるとは、実のところ、『わからない』と『わかった』の間を結ぶ道筋を、地図に書くことなのである」。(同書 p.12)
 素人は、「わからない」のスタート地点から「わかった」のゴール地点までの「地図」を書くことができる。反対に、専門家は「わかる」人たちである。「わかる」人たちは「わかる」スタート地点から「わかる」ゴール地点までの地図を書くのである。これでは「わからない」人には取り付く島がないのである。素人は「わからない」から始めて「わかった」まで道筋を示すことができる。当サイトに訪れる人たちもカジノが「わからない」人たちである。その人たちに、我々素人が「こういう道があるよ」と教えることができるのが、我々の長所であり、武器になっている。
 さて、「わからない」が「自分がどのようにわからないか」であることは先程書いた。「自分が」ということは、人それぞれで「わかる」までの道筋が違うのである。我々は5人いる。我々にはカジノという共通のテーマはあるが、カジノについて考えることはもちろんバラバラになる。しかし、私はそれでいいと思っている。出生も育った環境も職業もライフスタイルも違う5人がカジノについて全員同じ考えを持つ方がおかしいのである。違う考えをするのがおかしいというのは、オリンピック憲章の根本原則にある多様性を遵守して女性の会議での発言を控えてほしいとする東京五輪組織委員会の管轄なので、そちらに行ってほしい。

 で、記事のタイトルにある「カジノパーク」の成り立ちと存在意義についてである。成り立ちはとてもゆるいものである。ノリである。
 しかし、このゆるさは我々の武器でもある。当サイトの存在意義は他にカジノの総合サイトがないからというゆるさでできている。まあそんなものでいいだろう。
 最後に、当サイト「カジノパーク」の名前について。カジノはそのまんまカジノである。パークは日本語でいう公園である。じゃあカジノパークはカジノ公園という意味かといったらそうではない。パークはparkで、英語のparkは古フランス語のparcに由来する。意味は「狩猟用の囲い地」である。それが転じて、囲われた地域をparcと呼び、その意味が英語のparkにもある。囲むということは、その囲む地域は他と違うということで、違うということは特別だということである。公に開かれているということで特別なら公園、誰かさんの庭ということで特別なら庭園、野球をする特別な場所は球場、動物を保護する特別な場所はサファリパーク…となる。カジノパークはカジノを囲むことでカジノを特別なものにしている。なぜカジノが特別かというと、カジノがギャンブルだからである。ギャンブルは適切な情報を持って対処しなければならない。そうしなければ危険だからである。なのでカジノは囲って特別なものにして適切に対処する必要がある。だから「カジノパーク」なのである。
 もう一つ。parkの語源parcの意味は「狩猟用の囲い地」である。そこで行われるのは狩りである。人間が動物を狩るのである。ギャンブルと同じく弱肉強食である。ただしカジノにおいては適切に向き合わなければ、我々プレイヤーが狩られる側になるのだが。

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